2022.12.21
インサイドセールスとマーケティング部門の違いとは?BtoB営業に必要な組織運営について解説!
目次
インサイドセールスとは顧客と面談することなく、電話やメールで行うセールス活動のことです。
営業担当者1人で行っているセールス活動をインサイドセールスとフィールドセールスに分業化することで、営業の効率化ができ成約数や売上の伸びにつながります。
一方で、インサイドセールスの役割としてターゲット選定やリード獲得、アポ獲得など一見するとマーケティング活動と被る部分も多く、線引きが曖昧になっていることがあります。
本記事は、インサイドセールスとマーケティングの役割の違いやその関係性について解説します。
営業部門とマーケティング部門の役割
インサイドセールスとマーケティングについて説明する前に、そもそも従来の営業部門・マーケティング部門に加えてなぜインサイドセールスが必要になったのか。その背景から解説していきます。
営業部門の役割
営業もマーケティングも企業の売上に大きく影響する重要な部門です。
特に規模が大きい企業では営業部門とマーケティング部門は別な部署であることが多く、目指す目標は同じであってもその役割は大きく違ってきます。
営業部門の役割は直接顧客と商談して自社の商品やサービスを販売することです。
そのためには自社の商品に興味のありそうな見込み顧客を見つけ、商談を重ねてニーズを顕在化させ、問題解決のための提案をおこなって成約につなげます。
また成約後のアフターフォローやクレーム処理にも営業部門が対応するケースがほとんどでしょう。
マーケティング部門の役割
マーケティングとは、顧客のニーズを分析し、適切なリードの創出と購買意欲を高めるための活動全般を指します。
言い換えれば、マーケティング部門の役割は営業がより多く販売できるようにバックアップすることだといえるでしょう。
いわば営業部門とマーケティング部門は企業の売上を上げるために補完し合う関係です。
そのためこの補完関係がうまく機能すれば組織営業としての効果を発揮できるのですが、両部門には違いもあるため溝ができてしまうこともあります。
営業部門とマーケティング部門の違い
自社の商品をできるだけたくさん買ってもらい売上を上げるという目的は、営業部門もマーケティング部門も変わりません。
しかし営業部門とマーケティング部門では、その視点が異なるため考え方も違ってきます。
営業の場合は目の前にいる一人一人の顧客を見ています。
成約するためには顧客の要望や意向が重要であり、顧客との関係性を高めることに力を注ぎます。
一方マーケティング部門からは一人一人の顧客を見ることはできませんので、市場を見ることになります。
市場全体の動きやライバル企業の動向などを注視するようになります。
営業部門は顧客を1対1で捉え、マーケティング部門は市場全体を捉えます。
マーケティング部門では一人ひとりの見込み顧客について個別のアプローチや具体的ニーズの見極めはできないため、ざっくりとした閾値を設けて営業部門へ引き渡す顧客を判断します。
しかし、いざ営業部門が個別にアプローチを行うと受注に至る顧客は少なく、「マーケティング部門からくる見込み顧客情報は役に立たない」と思われてしまうことがあります。
反対にマーケティング部門からすれば、「見込み顧客情報を渡しても営業部門は思うように動いてくれない」などと感じられ、互いに責任転嫁が起こってしまいます。
営業部門とマーケティング部門の溝を埋めるインサイドセールス
ここまで、営業部門とマーケティング部門は同じ目的を持ちながらも視点の違いから問題も起きやすいことを説明しました。
このような営業部門とマーケティング部門の溝を埋める効果が期待できるのがインサイドセールスの導入です。
インサイドセールスの役割は、「見込み顧客の育成」と「見込み顧客の選別」です。
従来の営業部門とマーケティング部門の間にインサイドセールスを取り入れることで両部門をスムーズにつなぐことが可能になります。
例えばマーケティング部門が展示会で大量の見込み顧客情報を獲得したとします。
当然、獲得した見込み顧客の中には「今すぐ購入しない顧客」が多く含まれ、「ターゲットにならない顧客」も含まれます。
米国のソフトウェア企業であるマルケトの調査では、BtoB企業においてマーケティングで獲得した見込み顧客のうち、すぐに購入を検討する顧客は全体の10%程度だということが判明した例もあります。
インサイドセールスはこれらの見込み顧客リストを受け取り、アプローチを通して選別を行います。
ターゲットにならない顧客は除外し、今すぐではないが将来的に購買に繋がる顧客はインサイドセールスが中長期的にニーズ育成・関係構築を行います。
そして既に購入段階にある顧客のみをフィールドセールスに引き渡すのです。
フィールドセールスが受け取る顧客情報は成約可能性が高いものですから、当然成約率も高まります。本来フィールドセールスが行うべきではない受注に繋がらない活動を行う必要もなくなり、営業効率も向上します。
マーケティング部門にとっては、獲得した顧客を漏らさずフォローしてもらうことができ、フィールドセールス部門にとっては、受注に繋がる顧客のみが供給されるようになるのです。
「マーケティング部門からくる見込み顧客情報は役に立たない」「見込み顧客情報を渡しても営業部門は思うように動いてくれない」などと責任転嫁をする必要もなくなるでしょう。
インサイドセールスを導入することで、企業全体の営業効率を大きく高める効果が期待できるのです。
インサイドセールスとマーケティングの役割
インサイドセールスとマーケティングの役割は似ていますが、下記のような違いがあるといえます。
マーケティングの役割
上述したように、マーケティングの役割は「顧客のニーズを分析し、適切なリードの創出と購買意欲を高めること」を市場に対して広くアプローチして達成することです。
それぞれの顧客に対して、1to1で解像度を上げることよりも、大きなセグメントで顧客をとらえていきます。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスの役割は「顧客のニーズを分析し、適切な商談の創出と購買意欲を高めること」です。
マーケティングの役割とよく似ていますが、それぞれの顧客に対して個別にアプローチを行い、個別に判断していく点が異なります。
マーケティングのように非常に多くの見込み顧客や接点のない顧客にアプローチすることは難しいです。
反対に、マーケティングよりも具体的に顧客について知り、ニーズの醸成や正確な選別が可能になります。
インサイドセールス導入による相乗効果
インサイドセールスを導入することにより、フィールドセールスが商談を行うべき見込み顧客の選別や今すぐの購入ではない顧客の育成を効率よく行えるようになることを解説してきましたが、インサイドセールスを導入するメリットはそれだけではありません。
インサイドセールスは一人ひとりの顧客に直接コミュニケーションを取るため、マーケティングよりも具体的で深い情報収集が可能です。
インサイドセールスが収集した情報をマーケティングへとフィードバックすることで、マーケティング部門だけではわからなかったレベルまで市場・顧客の解像度を高めることができます。
その結果、マーケティング部門が見込み顧客を獲得してきた時点での顧客の検討度の高さやニーズの精度が高まっていくのです。
このように、インサイドセールス導入によって今までできなかったことができるようになるだけでなく、既存の活動をより高度な活動へと改善することができます。
まとめ
今回はインサイドセールスとマーケティングの違い、関係性について解説しました。
マーケティングは市場に対して自社サービスの認知を高め、適切なリードの獲得を行います。
インサイドセールスはリードの購買意欲を高め、フィールドセールスが商談を行うべき顧客を選別します。
そしてマーケティングからインサイドセールスへの連携だけでなく、双方向への連携を行うことで、より大きな成果を生み出すことができます。
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