2023.09.20
インサイドセールスの強みとは?仕事内容や導入するメリットを解説!
目次
コロナ禍における在宅勤務の普及や営業の効率化を求める動きにより、今注目されているインサイドセールス。
新しい営業の形として、一度は耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。
実際に最近では、営業力の強化のために導入を進める企業も増えています。
とはいえ、インサイドセールスの導入を検討している方の中には、
「インサイドセールスの強みはどこにあるのか?」
「フィールドセールスとの違いを知りたい」
といった方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、インサイドセールスの仕事内容から強みや導入するメリット、導入した場合の効果を上げるポイントまでを詳しく解説していきます。
インサイドセールスとは
インサイドセールスには大きく分けて2つの種類があります。
どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
SDR
SDR(Sales Development Representative)は「反響型」と呼ばれる営業手法です。
WEBサイトやWEB広告、SNSなどを使って自社の商品についての情報を発信し、それに対して反応があった顧客にアプローチを行っていきます。
具体的な反応としては、問い合わせや資料請求が挙げられるでしょう。
顧客側からのアクションになるため、SDRでは購買意欲の高い状態の顧客が対象になると言えます。
ただそうした顧客層は売上につながりやすい反面、スピーディーに対応しなければ他社の商品に関心が移ってしまう可能性があります。
SDRを進める際は、反応があった場合どのように対応するかを、部門内であらかじめきちんと決めておくことが大切です。
BDR
BDR(Business Development Representative)は「新規開拓型」と呼ばれる営業手法です。
SDRでは顧客の能動的な行動に対してアプローチする形でしたが、BDRは自社でターゲットする企業を選び、電話やメールを使い自ら積極的にアプローチをしていく形になります。
大手企業など取引を行いたい企業に直接アプローチできるのが良い点で、営業が成功した場合には大きな成果につながることが多いです。
しかしながら、顧客の購買意欲があまり高くない状態からのスタートにもなるため、すぐに結果には結びつかないこともあります。
BDRを進める際は、しっかりと戦略を練り、時間をかけて丁寧に顧客と向き合っていく姿勢が必要になるでしょう。
インサイドセールスが注目される背景
インサイドセールスが注目を集めるようになった大きな理由には、やはり新型コロナウイルス感染症の拡大が挙げられるでしょう。
コロナ禍では人と人が接触することにリスクがあるとされ、対面での営業が困難になりました。
そんな中で、従来の営業活動ができず売上低下を懸念する企業が、非対面で営業可能なインサイドセールスを意識するようになったのです。
またインサイドセールスの導入が進む背景には、顧客の購買行動の変化も関係しています。
インターネットの普及により、現代ではモノやサービスを購入するときには、顧客自身が情報を集め比較検討してから選ぶようになりました。
以前は営業担当者と直接会い、情報を提供されるのが一般的でしたが、今は営業担当者が接触する前に顧客が情報を得ていることも少なくありません。
当然企業はそうした顧客の購買行動の変化に対応する必要があり、オンラインでの活動が可能なインサイドセールスを注目するようになったと言えます。
インサイドセールスとフィールドセールスはどこが違う?
インサイドセールスとフィールドセールスの違いは、内勤と外勤以外には何があるのでしょうか。
実際の仕事内容とそれぞれの強みについて説明していきます。
インサイドセールスの仕事内容と強み
インサイドセールスでは、メルマガの配信や架電などをして見込み顧客との接点を作り出し、
自社の商品への購買意欲が高まるように育成(リードナーチャリング)を行っていきます。
そして十分に育成が進んだところで、タイミングを見てフィールドセールスに引き継ぐことが主な仕事内容です。
強みとしては、すぐには受注に結びつかない購買意欲が低い状態の顧客にも、定期的にコミュニケーションをとっていける点が挙げられます。
また顧客の元へ足を運ぶ移動時間がないぶん、1日に接触できる顧客数がフィールドセールスより多い点も良さだと言えるでしょう。
WEBサイトやSNSなどさまざまなアプローチ方法が使用できることもあり、休眠顧客の掘り起こしにも役立ちます。
さらには、フィールドセールスで受注になったあとのフォローにインサイドセールスを活用し、他の商品への購買につなげていくことも可能です。
フィールドセールスの仕事内容と強み
分業型におけるフィールドセールスでは、インサイドセールスから引き継いだ顧客の元に足を運び、
商品の提案から受注・契約まで行うことが主な仕事内容です。
インサイドセールスで得た顧客情報をうまく活用し、その顧客に合わせたアピールができるかが成果をあげる上で大事なポイントになります。
強みとしては、自社の商品やサービスの魅力を伝えやすい点が挙げられるでしょう。
顧客と直接話ができることから、声だけでなく表情やしぐさでもアピールすることができます。
加えて顧客の感情も把握しやすく、相手に合わせて臨機応変に対応することが可能です。
お互いの顔が見えるため、深い話をすることができ、信頼関係を築きやすいといった一面もあります。
ただフィールドセールスでは、どうしても客先に向かう移動時間と移動にかかるコストが必要です。
そのため、1日に対応できる顧客数は多くても5〜6人が限度になります。
インサイドセールスを導入するメリット
インサイドセールスの仕事内容と強みがわかったところで、実際に運用していく上でどのようなメリットが得られるのか気になった方もいるのではないでしょうか。
ここでは、インサイドセールスを導入する3つのメリットをご紹介していきます。
業務を効率化できる
先述したように、インサイドセールスは非対面で営業を行えることから、客先に出向く移動時間と交通費などのコストの削減が可能です。
オンライン上での活動になるため、たとえ離れた場所にいる顧客ばかりであっても、1日のアプローチ数に大きく変化が出ることはありません。
またインサイドセールスが新規顧客獲得や見込み顧客の育成を行うことで、フィールドセールスでは売上につながりやすい顧客との商談に集中できます。
現代はどの業界でも企業の人手不足が問題となっています。
少子高齢化の影響もあり、その問題は今後より深刻化していくでしょう。
そうした中で営業効率と生産性を高め、少数での売上確保につなげられるインサイドセールスは、これから企業が営業活動を行う上で欠かせないものになってくと考えられます。
営業の属人化を防げる
インサイドセールスを行うときには、顧客情報から顧客とのやりとりまでを全てデータに残していきます。
集めたデータを活用することで、顧客への効果的なアプローチ方法を見出したり、営業における問題点を把握することが可能です。
従来の営業方法では、担当の営業が新規顧客獲得から受注・契約までを一人で行っていました。
そのため、営業の進め方や顧客とのコミュニケーション方法が部門内で統一されることはあまりなく、営業のスキルやセンスによって営業成績に差が出ていたと言えます。
インサイドセールスではデータとともに営業ノウハウも蓄積されるため、マニュアルを作って共有することで、業務を行うメンバーの営業の質を全体的に高めることができます。
一人の営業に依存しない営業スタイルを作ることができ、営業の属人化を自然と防ぐことにもなるのです。
購買意欲の高い顧客を創出できる
インサイドセールスは、長期的に顧客とコミュニケーションをとることを得意とします。
したがって、始めはそこまで購買意欲がなかった顧客に対しても、定期的に商品やサービスの情報を提供することで興味や関心を引くことが可能です。
またやりとりを履歴に残し、顧客の状態を見ながら対応していくため、顧客の購買意欲が十分に高まったかの見極めが行いやすいと言えます。
ホットなタイミングでのフィールドセールスへの引き継ぎは、受注率を高める上でも重要です。
さらにフィールドセールスでの商談後に、インサイドセールスでリードナーチャリングを行うことで、他社の商品へ関心が移ることを防げます。
商談前から商談後まで、顧客の購買意欲を高い状態でキープする役目をはたすことができるのです。
インサイドセールスの効果を上げるポイント
インサイドセールスの効果を上げるには、大事なポイントを押さえておく必要があります。
一つ一つ詳しく解説していきます。
情報を共有する
インサイドセールスではフィールドセールスとの連携が必須です。
いくらインサイドセールスで顧客とやりとりを重ねても、そうした情報が伝わらなければ商談がスムーズに進まない可能性があります。
やりとりの履歴を正確に残すことはもちろん、フィールドセールスときちんと情報を共有できる体制を作っておくことが大切になります。
加えてどの段階で顧客の引き継ぎを行うかなどのルールも、部門間で話し合い決めておくと良いでしょう。
KPIを設定する
KPI(重要業績評価指標)の設定もインサイドセールスの導入では欠かせません。
どの程度インサイドセールスの効果がでているかは、KPIを使って判断していきます。
設定する際には、メールの開封率や架電数、通話時間、商談化件数など、具体的に数字で見えるものをおすすめします。
また売上向上という営業部門全体の目標を見失わないために、受注率や受注金額といった目標を取り入れることも重要です。
ツールを利用する
インサイドセールスの効果を上げるためには、ツールの活用も大事になってきます。
ツールを使用することで、営業効率をさらに高めることが可能です。
ツールには、営業支援ツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールなどがあります。
機能も顧客管理から案件管理、進捗管理などさまざまなものがあるので、自社のインサイドセールスの運営方法に合わせて選ぶようにしましょう。
定期的に振り返る
インサイドセールスは一度導入したら終わりではありません。
初期設定のまま修正することなく運用を続けていた場合、期待した効果がでないことがあります。
そうした状況を避けるためにも、定期的に振り返りを行い、問題点を洗い出した上でスピーディーに改善を行っていきましょう。
1週間に1度や2〜3ヶ月に1度など、振り返りをする時期や頻度を決めておくこともポイントです。
まとめ
ここまで、インサイドセールスの内容から注目される背景、強み、運用時の効果を上げるポイントを解説してきました。
人材確保が難しい今、少ない人数で営業活動を行い、売上を出せるインサイドセールスの重要度は日に日に高まっています。
営業の効率化や属人化の防止ができることから、導入に踏み出す企業も今後より増加していくでしょう。
とはいえインサイドセールスは、ただ導入しただけでは思ったほどの結果に結びつかない可能性があります。
成果を上げるためには、フィールドセールスとの違いや強みを理解し、インサイドセールスの良さが十分に発揮できるように活用していく必要があります。
インサイドセールスの導入の際は、ぜひ今回取り上げた情報共有の体制作りや定期的な振り返りを意識しながら運用を進めてみてください。