2023.10.17
インサイドセールスとマーケティングオートメーションの相乗効果と9つのメリット
目次
インサイドセールスにおいて営業効率アップを実現させるには手作業では限界があります。
そこで、マーケティングオートメーションを導入することにより、これまで時間と手間を要していた業務が驚くほど効率化されていきます。
一方、「マーケティングオートメーションって一体どんなことができるのだろう?」「導入することでどんなメリットが得られるの?」という疑問を持たれている方もおられるのではないでしょうか。
そこで本記事ではインサイドセールスの営業効率アップに欠かせない、マーケティングオートメーションの基礎知識と導入することで得られる9つのメリットを分かりやすく解説します。
インサイドセールスの概要についても解説しており、知識がなくてもお読みいただける内容になっておりますので、ぜひ参考にしてください。
インサイドセールスとは
「インサイドセールス」とは、電話やメールなどの通信手段を使い、顧客と直接対面せずにアプローチをおこなう営業手法です。一方、顧客と直接対面しておこなう営業手法を「フィールドセールス」と呼びます。
インサイドセールスでは顧客に合わせたコミュニケーションやアプローチをおこない、継続して顧客を育成することが大きな目的です。
情報技術の発達によってインサイドセールスが容易となり、費用対効果が高い営業手法として注目をされ、実際に導入する企業が増えてきました。
では、インサイドセールスとフィールドセールスの具体的な違いは、どんなものがあるのでしょうか?
特にポイントになるのは、物理的な移動時間や移動距離、それにともなう労力に関する違いです。従来のフィールドセールスではいずれの場合でも移動が必要となるため、一日のうちにアプローチできる顧客数が限られていました。
しかし、インサイドセールスは自社にいながら顧客にアプローチできるため、一日のうちに営業できる数が段違いに増えるのです。
このようにインサイドセールスで営業活動を効率化することで商談数を増やし、継続して顧客を育成することで成約する可能性を高めていきます。
インサイドセールスとテレマーケティングの違い
インサイドセールスもテレマーケティングも電話やメールなどの通信手段を使った営業手段であるという点は共通していますが、アプローチの質に大きな差があります。
ダイレクトマーケティングの手法であるテレマーケティングは、電話によるアポイント獲得や、ごく簡単な商品説明に留まります。
一方、インサイドセールスは顧客のニーズをヒアリングして潜在的なニーズを掘り起こし、顧客ごとに最適な情報提供やアプローチをおこなうのです。
インサイドセールスでは顧客に合わせた最適なアプローチをおこなって購買意欲を高めることにより、成約する可能性が高い顧客を営業部門に引き継ぐことが目的です。
この違いを正しく理解していないと、これから解説するマーケティングオートメーションを効果的に使いこなせなくなるかもしれません。
インサイドセールスの本質を理解していれば、マーケティングオートメーションに対する理解も深まります。
マーケティングオートメーションとは
マーケティングオートメーションを簡単に説明するならば、顧客管理・メール配信・Web解析・フォームページ作成といった一連の作業を自動化し、マーケティング業務を効率化するためのソフトウェア・ツールです。「Marketing Automation」の頭文字をとって「MA」と略されます。
従来は手作業でおこなっていた複雑なマーケティング業務を自動化し、効率を上げることがマーケティングオートメーションの役割です。
ソフトウェアによって機能に差がありますが、基本的にはマーケティングや営業活動に関わる業務を自動化する機能を備えています。
消費者ひとりひとりのニーズや購買履歴に合わせてマーケティング活動をおこなう「One to Oneマーケティング」の時代である現在、マーケティングオートメーションツールの存在は欠かせません。
マーケティングや営業に関わる複雑な業務を人の手から機械での自動化に切り替えることにより、人材不足の解消やコスト削減を実現します。
インサイドセールスでマーケティングオートメーションをおこなう9つのメリット
①マーケティング業務の効率化
先に解説した通り、マーケティングオートメーションはマーケティング業務の効率化に大きな効果を発揮します。
従来なら手作業でおこなっていた業務をマーケティングオートメーションで自動化することにより、少人数でも効率的にマーケティング業務をこなせるようになるのです。これは人材不足の解消にもつながります。
成約の可能性が高い見込み顧客を選んで効果的にアプローチすることが目的のインサイドセールスにおいて、顧客情報の収集・分析、顧客リストの整備は欠かせない業務です。マーケティングオートメーションでそれらの作業を自動化することにより人手不足を解消し、貴重な人材を他の業務に充てることができます。
②顧客に合わせた最適なメール配信
インサイドセールスにおいてメール配信は見込み顧客の育成につながる重要なアプローチ方法です。
しかし、顧客によって関心事が異なるため、全ての顧客に同じ内容のメールを一斉配信しても高い効果は期待できません。
メールへの反応が薄いのは、顧客の興味に合わせたアプローチができていないからです。
マーケティングオートメーションは顧客のWeb訪問履歴や購入情報を分析し、顧客の関心に合わせて最適な情報を最適なタイミングでメール配信するよう自動化できます。これを手作業でおこなうとなると手間も時間もかかりますが、マーケティングオートメーションで自動化することで業務効率をアップさせることができるわけです。
メールを開封した人の中には購買行動には至らなかったものの、関心が高い見込み顧客もいるでしょう。
マーケティングオートメーションではそうした購買の可能性がある見込み顧客を見逃さず、効果的なタイミングでメールを送ることで購買意欲を向上させます。
③ヒューマンエラーの削減
人間が作業をおこなうと、どれだけ注意していてもヒューマンエラーは避けられません。
手作業ではデータを見落としたり、誤ってデータを消去したり、配信先を間違えたりといったミスが起こる可能性をゼロにすることはできません。
また、ミスが起こると取り戻すために余計な時間を浪費しますし、致命的なミスで顧客に迷惑がかかると企業の信用にも関わってきます。
しかし、マーケティングオートメーションを利用すれば、そうしたヒューマンエラーを防ぐことができるでしょう。
これにより、ミスによるさまざまな損害を防ぐことができます。
④営業活動との連携向上
せっかく購買意欲の高い見込み顧客を獲得しても、マーケティング部門から営業部門に顧客情報を引き継ぎできていないと営業成果を上げることはできません。インサイドセールス担当者とフィールドセールス担当者の間で連携がうまくいっているかどうかで業務効率は大きく変わります。
マーケティングオートメーションを導入すれば、見込み顧客の潜在的なニーズ、行動履歴等の情報を営業部門に効率よく引き継ぐことが容易になります。
フィールドセールスの担当者はマーケティングオートメーションが分析した情報を元に、顧客のニーズに合わせた効果的な営業ができるようになります。
⑤ホットリードを見逃さない(成約率の向上)
ホットリード(今すぐ商品の購入やサービスを利用しそうな見込み顧客)を見逃さないのもマーケティングオートメーションを導入するメリットです。
購買意欲が低い見込み顧客に営業活動をしても成約する可能性は低く、営業効率が下がってしまいます。反対に、見込み顧客の関心が高まっている時に営業活動をすれば、成約率向上につながるでしょう。
手作業では多数の見込み顧客リストからホットリードを抽出するのは難しく、タイミングを見逃してしまうこともあります。
一方、マーケティングオートメーションでホットリードを抽出し、最適なタイミングで購買意欲が高まっている見込み顧客を営業部門に引き渡すことができれば、成約率は飛躍的に高まるでしょう。
⑥リードスコアリング
リードスコアリングは、顧客の行動履歴や属性といった項目ごとにスコア(点数)をつける作業で、見込み顧客の購買に対する意欲・購買準備の測定に活用します。
商品サイトを閲覧する、資料を請求する、展示会にいく、問い合わせをするといった行動履歴に応じて点数をつけ、スコアの高い見込み顧客からホットリードを抽出する方法です。
コールドリード(購買意欲が低い顧客)にアプローチしても成約の可能性は低く、貴重な人的資源が非効率な業務に割かれてしまいます。
そうした営業の無駄を省くためにリードスコアリングが必要なわけですが、カスタマージャーニー(顧客の行動・思考・感情といったプロセス)を手動で追って最適なタイミングでホットリードを営業部門に引き継ぐのは難しいのが現状です。
そこでマーケティングオートメーションのスコアリング機能が役立ちます。マーケティングオートメーションには顧客の行動履歴や属性から自動でスコアリングしてくれる機能が備わっており、スコアリングからホットリードを抽出することにより、最適なタイミングでのアプローチが可能となります。
マーケティングオートメーションの導入によってリードスコアリングにかかる手間とリソースが省略できること、リアルタイムでホットリードを把握できることは営業活動にとって大きなメリットとなるでしょう。
⑦データの一元管理が出来る
マーケティングや営業に活用できるデータを持っていても、バラバラに管理していては効力を発揮できません。
マーケティングオートメーションは顧客情報とデータを紐付け、一元管理することができます。
オウンドメディアによく訪問してくれる顧客、メールの開封率が高い顧客、セミナーや展示会に参加してくれた顧客など、購入意欲が高そうな見込み顧客を見逃さないためにもデータの一元管理は必要です。こうした顧客の各種行動データを一元管理することによって業務効率が上がり、成約率アップにもつながります。
複数のデータを効率的に管理し、かつ営業活動に有効活用するにはマーケティングオートメーションが最適です。
⑧営業コストの削減
従来は手動でおこなっていた業務をマーケティングオートメーションで効率化することにより、営業コストを削減することができます。
時間のかかる作業を機械に任せることで貴重な人的資源を他の業務に回すことができるため、人件費の削減につながるでしょう。
必ずしも手作業でなくてもいいデータの管理・分析といった作業は、マーケティングオートメーションに任せたほうが効率的です。
手間のかかる業務をマーケティングオートメーションに自動的におこなわせ、手作業でしかできない部分に人的資源を割り当てることでコストを最小限に抑えられます。
マーケティングオートメーションの導入にはコストがかかりますが、機械がおこなうのと手作業でおこなうのとではスピードは歴然です。
ヒューマンエラーによる業務の遅延も防止できるという点でも業務スピードに大きな差が生じます。
導入にコストがかかっても結果的にコストの削減につながることが多いでしょう。
⑨マーケティング施策の効果測定
広告やキャンペーンの質を上げるには効果測定が必要です。効果の薄い施策に手間と時間をかけてもコストを浪費するだけですし、効果を把握しておかないと次の施策につなげられません。しかし、効果測定には時間を要するため、企業としては効率化したい部分ではあります。
マーケティングオートメーションはCV(コンバージョン)率、クリック率、メール開封率、SNSでのシェア数など、各種効果測定の効率化が可能です。
マーケティングオートメーションで効果測定をおこなうことにより、CV率の高いページ・低いページ、開封率の高いメール・低いメールなどを効果的に調べることができます。
CV率が低いページは問い合わせフォームが入力しづらい、分かりづらいといった何かしらの問題をはらんでいるため、使いやすいように修正しなければなりません。開封率が低いメールを送り続けても見込み顧客の獲得にはつながらないので、メールの内容を見直したほうがよいでしょう。
マーケティングオートメーションは、そうした改善をおこなうための各種効果測定を効率よくおこなえるのもメリットのひとつです。
インサイドセールスとマーケティングオートメーションの組み合わせはメリットが大きい
ここまで解説したように、マーケティングオートメーションは従来なら手作業でおこなっていた業務を機械に任せることにより、営業効率を大幅に向上できるというメリットがあります。
最近、営業の人材が特に不足しています。そのような企業でも、マーケティングオートメーションの導入は効果絶大です。
非効率な営業方法を続けていても競合には勝てませんし、人件費もバカになりません。マーケティングオートメーションは社員数人分の働きをしてくれるので、導入コスト以上の見返りが期待できます。
成約の可能性が低い顧客にアプローチを続けるより、マーケティングオートメーションでホットリードを抽出して成約の可能性が高い顧客にアプローチするほうが効率的であるのはいうまでもないでしょう。
ホットリードの抽出には手間がかかりますし、リアルタイムでアプローチすることが求められるため、手作業でおこなうよりもマーケティングオートメーションに任せたほうが成果を期待できます。
営業効率を上げるインサイドセールスとマーケティングオートメーションがもたらす相乗効果は、長い目で見て会社のプラスにつながります。業績が伸びるだけでなく、知見やノウハウが溜まるところも大きいでしょう。
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