2022.11.28
インサイドセールスとは?基礎知識や役割、メリットをまとめて紹介!
目次
インサイドセールスとは?
インサイドセールス(内勤営業)とは、一言でいえば見込み顧客に対して電話やメールなどを利用し非対面で行う営業活動のことです。
反対に、従来の訪問を基本とした営業活動はフィールドセールス(外勤営業)と呼ばれています。
近年、営業活動の効率が高まる手段として、インサイドセールスへの注目が高まっています。
新型コロナウイルスの影響により顧客と接する機会が激減したことで、導入する企業も増えていますが、仕組みやメリット、運用方法はあまり知られていません。
本記事は、The Model型として日本で最も普及しているインサイドセールスを活用した分業体制について、BtoB企業におけるインサイドセールスの基礎知識や役割、メリットやデメリット、インサイドセールスに向いているケース等を詳しく解説します。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスは電話やメール、Web会議ツールなどを駆使し、顧客へのヒアリングや関係性構築を行います。
顧客の中の潜在的な課題を見える化することで自社の商品やサービスに興味のある段階へと育てるリードナーチャリング(見込み顧客の育成)や、
商談機会の創出が主な役割です。
インサイドセールスは、マーケティングよりも顧客との距離が近く、フィールドセールスよりも多くの見込み顧客と接することになります。
このような特徴を活かして、インサイドセールスを起点とした顧客理解・データ分析によってサービス改善や営業戦略策定を行う企業も多くあります。
従来の営業との違い
従来は、フィールドセールスと呼ばれる営業担当者が自ら見込み顧客のリストを作成し、テレアポや商談設定を通じて提案、クロージング受注までの全工程を一人で担っていました。
営業担当者は複数の業務を並行して行う必要があり、本来集中すべき受注確度の高い顧客への提案活動に時間を割くことができないため、営業効率が高まりませんでした。
営業担当者の心理としても、短期で受注に繋がりやすい顧客を優先してしまうため、丁寧にフォローを行っていれば受注に繋がる顧客が放置されてしまう状況にもつながっていました。
インサイドセールスを導入した分業型営業組織では、従来一人で行われていたセールスプロセスを分業し、主に見込み顧客との商談設定までをインサイドセールスが担います。
インサイドセールスはリモートならではのスピード感で多くの潜在顧客へのアプローチが可能です。ニーズが顕在化した顧客については1対1のアプローチが得意なフィールドセールスが担当することで、営業活動全体の効率化やインサイドセールスとフィールドセールスとでは求められる能力も違ってきます。
もちろん、インサイドセールスにおいてもフィールドセールスと同様に提案力や関係構築力は重要ですが、ここではインサイドセールスで有れば特に重要になる能力を解説します。
ITスキル
インサイドセールス業務では、多様なITツールを適切に活用する力が求められます。
大量の見込み顧客や顧客に対する営業活動の情報を管理したり、営業活動を効率化するためには、
SFA/CRMツールを始めとした様々なITツールの力が不可欠です。
インサイドセールスには、ITリテラシーの高い人材が必要です。
非対面でのコミュニケーションスキル
インサイドセールスは電話やメールを中心として非対面で営業活動を行うため、顔が見えない状態でも顧客と関係構築することを求められます。
従来の訪問を中心とした営業活動とは異なり、営業担当者の「熱意」を伝えづらく、顧客の「雰囲気」や「空気感」を捉えづらいため、顧客から信頼を勝ち取り、距離を縮めるハードルが高いといえます。
インサイドセールスでは丁寧な言葉遣いや文章、相手の声色などから感情を察知する能力、顧客に合わせた適切なコミュニケーションを選択する力など、対面であることに頼らない高度なコミュニケーションスキルが必要です。
マルチタスクスキル
インサイドセールスは潜在顧客から顕在顧客まで、様々な状態の顧客を多数受け持ちます。加えて、データ分析業務やマーケティング・フィールドセールスとの連携など業務範囲が多岐に渡るためマルチタスクを管理・処理する能力が必要です。
データ管理/分析/活用スキル
先述したように、インサイドセールスはマーケティングよりも顧客との距離が近く、フィールドセールスよりも多くの見込み顧客と接する立場です。
大量の顧客の生の声を収集することができるため、それらのデータを蓄積・活用することで組織へ貢献することを求められます。
市場価値の高いインサイドセールスになるためには、データを「蓄積する」「分析する」「活用する」能力が必要です。
インサイドセールスのメリット・デメリット
メリット
インサイドセールスを導入するメリットは、大きく3点あります。
営業活動の効率化
セールスプロセスによる分業を行うことで、フィールドセールスは商談・クロージングに、インサイドセールスはリードの獲得・育成に、それぞれ自らの役割に集中して取り組むことができるため営業活動の効率化が可能です。
また、インサイドセールスには訪問や商談など時間がかかるタスクもないため、
単純にフィールドセールスの数倍の見込み顧客へアプローチすることができます。
機会損失の防止
一人の営業担当者が潜在顧客の育成から顕在顧客のクロージングまで行う従来のやり方では、成果につながるかわからない潜在顧客が放置されてしまい機会損失を生み出していました。
分業を行うことで、それぞれの役割とターゲットが明確になり、潜在顧客についてはインサイドセールスが集中的にナーチャリング活動を行うことで中長期的なパイプラインとして成果へとつなげることができます。
営業活動の可視化と標準化
インサイドセールスによる分業とITツールの活用により、セールスプロセスの各フェーズで顧客と営業担当者が「どんな状態なのか」「何をやっているのか」が可視化され、改善点を見つけやすくなります。
成果につながる営業活動の型を確立することができ、新人育成のコスト削減や全体のパフォーマンス標準化につながり、組織として営業活動や予測を管理していくことができるようになります。
デメリット
非常に有効なインサイドセールスですが、上手く活用ができなければデメリットが大きく表れてしまいます。
インサイドセールスのデメリットを3点ご紹介します。
インサイドセールスに適した人材と環境が必要
上述したようにインサイドセールスには固有の専門スキルが必要であり、誰でもできる仕事ではありません。
また、成果の出るインサイドセールスを行うためには、適した環境をつくるためにITツールを適切に導入する必要があります。
誰でもいいから人材を配置し、導入しただけのITツールでインサイドセールスを行うような場合、目標とした成果を達成することは難しいでしょう。
分業による組織の分断が起こってしまう
分業型の営業組織は大きなメリットがある一方で、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスそれぞれが個別最適に走ってしまい、全体としての成果に繋がらない状態にもなりやすいです。
分業型営業組織では、各組織が共通の目標を追って協調できるように制度・目標設計や文化の醸成に力を入れる必要があります。
不向きな商材もある
営業課題の解決策となり得るインサイドセールスですが、全ての商材・ビジネスモデルに向いているわけではありません。
まずは自社にとってインサイドセールスが適しているのかを見極め、適切な導入手法を選択することが大切です。
インサイドセールスの向き・不向きについては、本記事で後述しています。
インサイドセールスが注目される理由
インサイドセールスが認知を拡大した背景には、新型コロナウイルスによる影響で対面コミュニケーションが好ましくないとされるようになった価値観の変容や労働人口減少による効率化の要請があります。
また、顧客の購買活動が変化しており、顧客から選ばれる状態になることが重要になっています。
ITが進歩したことで多種多様なデータを取得・管理することができるようになったり、オンライン上でもストレスの少ないコミュニケーションが可能になったため、より高度な営業活動が可能になったことも大きな要因だと考えられます。
インサイドセールスの普及は時代の流れであり、今後も普及率は高まっていくと考えられます。
インサイドセールスの向いているケース・向いていないケース
いかにインサイドセールスが効率的な営業スタイルとはいえ、向いている商品・サービスと向いていないものは存在します。
インサイドセールスは、低価格商品の営業に適しているといわれています。
営業にかかるコストが低く、商材単価が低くても費用対効果を期待できるためです。
逆に、高価格帯には向かないといわれています。メールやウェブのみで商談を進めようとすると、商談機会を得ても関係構築が困難だからです。
しかし、Sales Labでは、異なる考えを持っています。
関係性構築が重視される高価格帯商品だからこそ、インサイドセールスでしっかりと価値を伝えていく時間をかけることが必要です。
逆に、価格帯が比較的安価で商談難易度が低いものは、テレアポなど数を必要とする戦略の方が良いこともあります。
インサイドセールスを導入するときのポイント
インサイドセールスをただ形だけまねて導入したところで期待するような効果は得られません。
インサイドセールスを始めるにあたってまず必要なことは、現在の営業プロセスを徹底的に洗い出し、インサイドセールス導入の目的を明確にすることです。
インサイドセールスを導入する際には、目的に合わせて新しい営業プロセスを設計し、役割分担を決定していきます。
既存の営業プロセスで成果を出している社員からは反発されることもありますが、組織で決定したことを実行するために、インサイドセールスの導入理由や有効性を説明し納得してもらうことも重要です。
実際にインサイドセールスが活動を始めたあとは、成功事例を共有することで社内の賛同を得られるでしょう。
とはいえ、既存のやり方を大きく変えるインサイドセールスの導入には他にも大きな障壁がたくさんあります。
課題を抱えた際には、関わるメンバーでしっかりとコミュニケーションをとり、導入の目的に立ち返ることが大切です。
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