2023.03.08
インサイドセールスのKPI、目標を最大化するポイントは?
目次
近年、営業組織では生産性の向上が求められているものの、生産人口の減少による人材難や
採用できたとしても戦力化するまでに時間がかかり、教育コストも発生するといった問題があります。
そのような悩みを抱える企業が多い中、インサイドセールスは効率的な営業手段として注目を集めています。
ただし、直接的な売上に関わらないインサイドセールスは、どこで効果を測るか、KPIの設定が肝になります。
本記事では、営業組織を成長させるためのインサイドセールスのKPI設定や管理のポイントをお伝えします。
インサイドセールスの役割
インサイドセールス(内勤営業)とは、見込み顧客に対して電話やメールなどを利用し、非対面で行う営業活動のことです。
主な役割は、見込み顧客へのヒアリングを通して情報収集を行い、
長期的なコミュニケーションで関係性を構築し、ニーズが顕在化したタイミングで商談化して受注へと繋げることです。
マーケティング部門とフィールドセールス部門の間に入り、両部門と連携しながら営業部門全体を最適化します。
インサイドセールスはできることが多岐に渡るため、担当する業務の範囲は企業や状況によって様々に異なります。
インサイドセールスの設定すべきKPI
クロージングまで受け持つケースは別として、インサイドセールスは
直接売上を作るわけではないため、うまく機能しているのか判断するためにKPIの設定が重要です。
業種や商材によってKPIは異なりますが、インサイドセールスが上手く機能している企業は、以下のKPI設定をしています。
商談化数・商談化率
最も基本的なKPIとなります。営業活動を分業していても最終的なゴールは売上を作ること。
そのゴールを目指すために、インサイドセールスは見込み顧客との関係構築やナーチャリングを行い、
見込み顧客のアポイントをフィールドセールスへ引き渡します。
ポイントは、アポ獲得数ではなく商談としてフィールドセールスが受け入れた数を指標にすることです。
アポ獲得数を追ってしまうと、KPIの数を達成するためだけの売上に繋がらないアポイントが量産されてしまう危険性があります。
受注数・受注率
最終受注になるかどうかはフィールドセールスの領域ではありますが、売上が最終目標である以上、
各インサイドセールスが獲得した商談が売上に繋がっているかも注視する必要があります。
商談化数が多くとも売上に繋がっていないような場合はプロセスを見直す必要があります。
メール開封率
ナーチャリングの有効手段として、メルマガ配信を行うことがあります。
その際、開封数ではなく、開封率をKPIに設定することが一般的です。
メールの開封率は検討度だけではなく、関係性の指標としても活用できます。
メルマガの開封率は、同じ内容であっても「件名」「送付時間」「送付時期」「ターゲット」によって、変動が見られます。
ABテストを実施しながら開封率の高い「自社のパターン」を構築していくことができます。
架電数と接続率
電話をかけた件数(活動の数)と本人と有効な対話ができた活動の数・率です。
電話営業の品質向上や効率化のために設定されるKPIです。
しかし、営業の人員が少ない場合、闇雲に架電数を増やしても対応できない可能性もあるため、
組織の規模に沿ってKPIとして設定する必要があります。
KPIの値を調整することで、各インサイドセールス個人の行動変容を促す役割もあります。
ヒアリング数・率
インサイドセールスは非対面の営業活動を通してヒアリングを行います。
課題やニーズ、組織体制などのヒアリングはもちろんですが、一つ一つのインサイドセールス活動が
上手くいかなかった理由も収集することで、営業活動の改善に繋がります。
ヒアリング項目には、例えば下記のようなものが有効です。
・BANT情報
・競合情報
・検討状況
・組織体制
・現在の取り組み
・ヒアリング項目が聞けない理由
・電話がつながらない、会話ができない理由
・検討度が上がらない、商談化しない理由
ヒアリング項目はテキスト形式に加え、選択肢形式などで可能な限り、定量データとして取得することがポイントです。
インサイドセールスのKPIの見直し・改善
KPIを慎重に設定しても、適切かどうかは運用しないと分かりません。
KPIを設定した後は、期間を決めて観測してみましょう。
最低でも1ヵ月に1度は振り返りの時間を設け、KPIの設定は適切か、KPIを達成するためにどうすべきかの改善を行います。
運用開始後の進捗が思わしくない場合、以下の4つのポイントを確認してください。
・見込み顧客との関係構築はできているか
・ターゲットと商材がミスマッチしていないか
・件数の設定は適切か
・部門連携の見直し
・アプローチ方法の見直し
見込み顧客との関係構築はできているか
見込み顧客と定期的に接触しているにも関わらず商談に繋がらないのであれば、
関係構築が上手くいっていない可能性があります。
もちろん、まだ見込み顧客の購買意欲が高くない場合、メルマガで定期的に情報提供して
認知や興味を高めるための工夫が必要な時もあります。
しかし既にサービス資料や価格表など検討に必要な資料も提供済みの状態で
商談に発展していない場合は、トーク内容、もしくは提案内容が合っていないことが考えられます。
その場合は、実績を上げているメンバーとトークスクリプトの内容を見直したり、
今一度見込み顧客からのヒアリングを強化するなどし、顧客理解を深めることが大切です。
特に、ヒアリング力・コミュニケーション力はインサイドセールスの必須能力です。
検討段階の場合、まだ自社の課題に気づいていない場合もあります。
その際、潜在ニーズを顕在化させて商談に繋げたり、さまざまな提案をする中で
「この人は自社のことを深く理解してくれている」と信頼を高めていく必要があります。
ターゲットと商材がミスマッチしていないか
獲得したリードにアクションしているにも関わらず、有効な活動数が確保できない場合は
ターゲットのミスマッチも考えられます。
早急に見込み顧客のリストを見直し、正しいターゲットかどうかを明確にしなくてはなりません。
見込み顧客と話してみた結果、求めているものと自社の提供するものが合っていないと判明する場合もあります。
商材そのものが合っていないのか、訴求の仕方が適切ではないのか、早々に見極めないといけません。
商材の内容、価格が原因なのか、トークスキルの問題なのか、顧客にはなり得ないのか、
いろいろな要素から原因を探り、見直しを行います。
件数の設定は適切か
一口に件数と言っても、商談件数、受注件数、架電件数とありますが、まずは架電件数からみていきましょう。
架電数が足りていない場合、そもそもの数が少ないのか、ターゲットとなる対象数が少ないのか、
その業界へのリサーチに時間がかかっているのか、最初に見極める必要があります。
上記を見直して問題ない場合、アプローチのタイミングも考えられます。
月曜日の午前中といった忙しい時間帯にアプローチしていないか、
顧客の業界によって繁忙となる時間や曜日、月内のタイミングなども異なるため、
最初は想定から、その後は積み上げたデータを見て改善していく必要があります。
部門連携の見直し
インサイドセールスとフィールドセールス部門との連携は必須です。
また、マーケティング部門との連携も重要です。
共にKPIや進捗状況を伝え合うなど密な連携に努めましょう。
適切なターゲットは設定されているかどうか、情報の共有の仕方に問題はないか、
リードや商談の供給量・質は適切かなど、部門間のコミュニケーションを密に行い、全体最適になるよう取り組みます。
また、見込み顧客は異なる営業担当から同じことを何度も聞かれると不信感を覚えます。
せっかくの商談の機会が部内連携のミスで消えるということのないように、顧客起点の情報連携を行いましょう。
まとめ
成長が期待されるインサイドセールスは、自社に導入することで大きなメリットも生まれてきます。
しかし、最初の期待値が大きいあまりに、KPIを大きく見積もってしまいがちです。
過度な期待は数値の達成だけを目標にしてしまいがちになります。
関係構築がまだ低い状態で商談に入る、といった積み上げた信頼を崩すことにも繋がります。
まずは自社のインサイドセールスには何を期待するのか、役割を明確にし、そこに沿ったKPIを設定することが重要です。
また、運用していく中で想定外のトラブルは付き物です。
改善すべきポイントがあれば、原因を探り、適切な運用となるように修正していきましょう。
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