2023.04.27
なぜ今インサイドセールス?導入のメリット・デメリットを徹底解説!
目次
最近耳にすることが多くなったインサイドセールス。
ビジネス環境が大きく変化している今、従来の訪問営業(フィールドセールス)ではない新しい営業の形として、実際に導入を進める企業が増えています。
とはいえ、導入を検討している方の中には、「そもそもインサイドセールスとはどんなものなのか?」
「インサイドセールスを導入した場合のメリットとデメリットが知りたい」なんて方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、インサイドセールスの内容から導入するメリット・デメリット、さらには導入・運用におけるポイントまでを詳しく解説していきます。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは内勤型営業とも呼ばれ、メールや電話、WEB会議ツールなどを使い、非対面でコミュニケーションをとる営業手法です。
反対にこれまで一般的であった、顧客のもとに直接足を運び、対面を中心とした営業手法をフィールドセールスといいます。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
インサイドセールスとフィールドセールスは、「対面かどうか」のほかに「役割」にも違いが見られます。
従来の営業手法では、飛び込み営業による新規顧客獲得からアポイントメント取り、訪問、契約までの一連の流れを一人の営業が行うスタイルでした。
フィールドセールスでは主にクロージングに重点が置かれているともいえます。
一方インサイドセールスでは、顧客の育成や信頼関係構築をメインとします。
長い時間をかけて見込み顧客とのコミュニケーションを重ね、購買意欲を高めた状態でフィールドセールスに引き継ぎます。
企業によってはインサイドセールスだけで契約まで行う場合もありますが、現在の日本では、インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせた分業型が一般的になっています。
インサイドセールスが今注目を集める理由
海外ではすでに広く普及しているインサイドセールスですが、日本でも近年注目を集めるようになった理由の一つに、
新型コロナウイルス感染症の拡大があります。
コロナ禍では対面での会話や交通機関の利用に感染リスクが伴うため、従来のように訪問営業を行うことが難しくなりました。
そこで売上低下を懸念した企業が、非対面でも営業可能なインサイドセールスの導入に踏み込み始めたのです。
また顧客の意識の変化も、インサイドセールスが重視されるようになった理由といえるでしょう。
IT化が進みさまざまな情報が手に入るようになった今、モノやサービスを購入する際は、複数の会社を比較検討した上で選ぶことが当たり前になりました。
そのため、普段から顧客との関係構築や情報提供を定期的に行うことが必須になり、結果としてインサイドセールス導入の重要性が増しています。
インサイドセールスを導入するメリット・デメリット
インサイドセールスがどのようなものか分かったところで、導入する良さはどこにあるのか?と思う方もいるのではないでしょうか。
ここからは、インサイドセールスを導入するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
インサイドセールス導入の7つのメリット
まずはインサイドセールスを導入するメリットを、具体的に7つご紹介していきます。
コストの削減ができる
インサイドセールスでは直接客先を訪問することがないため、移動時間や移動にかかる交通費の削減が可能です。
客先が遠方の場合、フィールドセールスでは顧客との商談時間よりも移動時間の方が長いケースが多々あります。
移動の際には、天候や交通機関の乱れといった環境の影響も受けやすいです。
その点インサイドセールスではメールや電話、WEB会議ツールの活用により、周りの環境に左右されることなく、効率的に営業活動を行うことができます。
商談機会を増やせる
コストの削減は商談機会を増やすことにもつながります。
フィールドセールスでは客先への移動が欠かせないため、多くても1日5件前後の商談が限度です。
一方インサイドセールスは移動時間が減った分を顧客対応に回せるので、1日の商談機会をより多く作れます。
また場所に関係なく商談可能なことにより、商談の日程調整がしやすい点や、顧客からの問い合わせにすぐ対応できる点も良さだといえるでしょう。
商談のチャンスを逃さない体制づくりを目指せます。
人手不足の解消につながる
インサイドセールス導入で一人あたりの生産性を向上できれば、同じ人数でもより高い売上をつくることができます。
日本では今多くの企業が人手不足な状況にあり、今後も少子高齢化の影響からその傾向がさらに強まることが予想されます。
そうした中での新たな人材採用は非常に難しく、コストも多くかかるでしょう。
人材の確保が難しい状況では採用や育成だけでなく、生産性を向上させることも大切です。
業務の属人化を防げる
従来の営業では、一人の営業が顧客獲得から契約までの一連を行なっていたので、
各営業がどのような提案を行っているのか把握することが難しくなっていました。
そのため、課題や改善点が特定できず、営業成果の向上は一人ひとりの営業に委ねられていました。
インサイドセールスではITツールを活用し、営業プロセスを管理することで一人ひとりの営業活動が可視化され、改善点が見えやすくなります。
また、各営業が持っていたナレッジが共有され、チーム全体の成果向上も期待できます。
商談の成功率を高められる
見込み顧客の購買意欲が低い場合と高い場合では、言うまでもなく高い方が受注に結びつく確率は上がります。
インサイドセールスの主な活動は、見込み顧客とのコミュニケーションを重ね、長い時間をかけて購買意欲を高めるものです。
その状態でフィールドセールスに引き継ぐため、当然成果は出やすくなります。
さらに受注につながった顧客との関係維持だけでなく、受注につながらなかった顧客へのフォローもインサイドセールスではできるため、
次の商談機会を生み出すきっかけ作りになるといえるでしょう。
営業活動が管理しやすくなる
営業一人での営業活動は、どんな話を顧客としたのか、どこまで商談が進んでいるのかが見えづらい面がありました。
たとえ何か問題があったとしても、他の誰かがフォローに入ることが難しくなっていたのです。
インサイドセールスではオンラインツールの活用により、顧客とのやりとりや実際の商談の様子を社内で簡単に共有できます。
そのため問題点を素早く見つけて解決し、より営業活動の質を上げることが可能です。
このように営業プロセスの見える化で、社内全体で一連の営業の流れを管理しやすくなるのもメリットの一つといえます。
売上予測を立てやすくなる
インサイドセールスでは、営業活動の記録を一つ一つ残すことになります。
そうして蓄積されたデータを見直し分析することで、将来の売上予測が立てやすくなるのです。
また現状の営業状態が数値として見やすくなるため、どのように見込み顧客との関係を築けばいいのか、
どのような行動を今後とっていけばいいのかといった計画もしやすくなるでしょう。
過去のデータを未来に活かすことも、インサイドセールスが担う大きな役割です。
インサイドセールス導入の3つのデメリット
インサイドセールスには多くのメリットがありますが、反対にデメリットも存在しています。
ここでは3つのデメリットを詳しく見ていきましょう。
インサイドセールスの経験値やノウハウの構築が必要となる
インサイドセールスは、従来の営業のノウハウを活かせる部分と活かせない部分があります。
中でも見込み顧客の育成部分は、これまでの経験やノウハウだけではうまくいかない可能性が高いです。
インサイドセールス導入時には、新たに一からノウハウを学ぶ必要があるでしょう。
加えてWEB会議ツールなどが揃っていない場合は、導入コストがかかることも考えられます。
対面営業よりも信頼を得るのが難しくなる
インサイドセールスは非対面での営業になるため、顧客とのコミュニケーションが希薄になりがちで、信頼を得ることが難しいといわれています。
とくにメールや電話では、表情や身振り手振りが相手に見えないことから、使う言葉や声のトーンなどのちょっとしたことで顧客の信頼を失いかねません。
また顧客の様子をうまく把握できずに、何度も強引にアプローチしてしまうといったことが発生する可能性もあります。
そうしたことを防ぐためには、顧客の顔が見えるWEB会議ツールなどの積極的な利用が大切になるでしょう。
社内での情報共有が必須となる
インサイドセールスは営業プロセスを分業するため、社内での情報共有や各部署との連携が欠かせません。
「どの部署がどんな業務を担当しているのか」といったことを一人一人が理解しておく必要があるでしょう。
マーケティングを自動化するツール(MA)や営業支援ツール(SFA)は導入するだけでなく、
それらを活用して積極的に情報共有する仕組みづくりが必須です。
さらに導入時の混乱をさけるため、あらかじめ社員の質問に対応し、取りまとめられるような人材を用意しておくことも重要になります。
インサイドセールス導入・運用時の大事なポイント
インサイドセールスのメリット・デメリットを知ったところで、実際に導入するときには何が大切になるのか?と思う方もいるかもしれませんね。
ここではインサイドセールスを導入・運用するにあたり、意識したいポイントについて解説していきます。
顧客管理の仕組みを作る
インサイドセールスでは、顧客の情報管理が何よりも大切になります。
顧客とのやりとりをデータとして残し分析することで、より適切なアプローチにつなげていけるからです。
またスムーズにフィールドセールスに引き継ぐためにも、そうしたデータを見える化し、共有できるシステム作りが欠かせません。
営業支援ツールなどを活用し、効率良く顧客管理を行なっていくと良いでしょう。
営業プロセスをマニュアル化する
インサイドセールスを新たに導入する場合、どの部署が何をやるのかを明確にしておかなくてはなりません。
とくに従来の営業手法では、顧客獲得から契約までを一人の営業が対応していたケースが多いため、あらためて営業プロセスを整理する必要があります。
加えて「どの程度顧客の購買意欲が高まったらフィールドセールスに引き継ぐのか?」といった具体的な内容も、
部署間でしっかり話し合い、決めておくことが重要です。
PDCAを回すようにする
インサイドセールスの導入後は、定期的な見直しが必須です。
実際にどれくらい効果がでているのかを数値のみで判断するだけでなく、そこまでのプロセスに問題がないかもチェックしてみてください。
どのように改善すべきか判断が難しい場合は、インサイドセールスコンサルタントなどの専門家に意見を聞くこともおすすめです。
PDCAを回しながらインサイドセールスの効果を高め、売上向上につなげていきましょう。
まとめ
ここまで、インサイドセールスを導入するメリット・デメリットを中心に解説してきました。
インサイドセールスには、コスト削減や業務の属人化の防止といったメリットがある一方、
ツールの導入コストやノウハウ構築が必須などのデメリットも存在しています。
ただ導入時にはコストや学習の時間がかかるものの、長い目で見れば営業効率を上げ売上向上に役立つものだといえるでしょう。
これからはより営業人材を確保することが難しくなると予想されます。
そうした中で少数精鋭で売上を確保するためにも、ぜひインサイドセールスの導入を検討してみてください。