2023.08.10
営業DXとは?インサイドセールスとの関係や成功させるコツも解説!
目次
さまざまなもののIT化が進み、さらにはコロナウイルス感染症の拡大で人々の生活環境が
大きく変化する中、企業も営業活動や働き方の面で変革が求められています。
実際に営業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指し、
実現に向けた取り組みを始めている企業も多いでしょう。
また営業DXにはインサイドセールスの導入も欠かせません。
とはいえ、
「そもそも営業のDXがよくわからない…」
「なぜ営業DXでインサイドセールスが大事になるのか?」
といったことを疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、営業DXの内容からインサイドセールスとの関係、
そして営業DXにおけるインサイドセールスを成功させるコツまでを詳しく解説していきます。
営業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXには、「ITを活用し生活やビジネスをより良いものに変革する」といった意味があります。
目まぐるしく社会が変化する今、企業も既存の価値観や考え方にとらわれずに、
柔軟に顧客のニーズに対応する姿勢が求められています。
中でも営業部門はコロナ禍で対面営業が難しくなったこともあり、以前に比べてよりDXが推進されているといえるでしょう。
そんな営業におけるDXでは、データやデジタル技術を使って顧客の購買行動を把握し、
商品やビジネスモデルを見直して、営業活動の最適化を図ることを目指します。
営業DXとデジタル化の違い
デジタル化はプロセスはそのままに、一部の業務をITツールで代替するものです。
業務の効率化やコスト削減を目的として、これまで多くの企業で取り入れられてきました。
一方営業DXではデジタル技術を使い、自社の営業スタイルや顧客の購買行動を分析した上で、
営業部門全体を変革することが主な目的となります。
ITツールの活用は手段にすぎません。
現在はグローバル化の流れもあり、ビジネス界の競争は昔よりも激しくなっています。
営業DXを進めることは、企業の競争力を高めることはもちろん、社会に対しても新しい営業活動の在り方を示すなど
良い影響を与えていくことにつながります。
営業DXが求められるようになった背景
多くの企業が取り組もうとしている営業DXですが、そもそも営業DXが必要となった理由には何があるのでしょうか。
4つの理由を取り上げて具体的に解説していきます。
社会環境の変化
近年社会環境が大きく変わった原因には、コロナウイルス感染症の拡大があります。
コロナ禍では人と人が接することにリスクがあるとされ、営業も対面から非対面へと切り替えざるを得なくなりました。
チャットツールやWEB商談ツールの導入を急ピッチで進めた企業も少なくないでしょう。
ただ今後のウィズコロナ/アフターコロナ時代は、単にそうしたツールを使用して、
非対面で営業をするだけでは競争優位性を高めることはできません。
データを活用し、顧客の購買行動に合った営業活動を行う必要があります。
顧客自身の意識もこのコロナ禍において変化してきました。
価格やブランド以外に、いかに要望に沿っているか、時代の流れを汲み取っているかが
商品を選ぶ際に重要になってきています。
営業DXでデータやデジタル技術を活用することは、こうした顧客のニーズを汲み取り、
柔軟に対応できるような企業への成長を促します。
生産性向上の動き
従来のような対面による営業は、顧客先に出向く時間がどうしても必要になります。
しかしながら長い時間をかけて移動したからといって、受注・契約に結びつくわけではありません。
商談時間よりも移動時間の方が倍かかったといったケースも多く見られます。
対面営業では時間に見合った成果が確実に得られるとは限らず、移動時間が無駄になってしまうこともあるのです。
日本では現在少子高齢化が進み、これからますます労働人口が減ることが予想されます。
そうした中で一人一人の生産性を高めることは、どの企業においても大きな課題であると言えるでしょう。
営業DXを進め営業活動における無駄をなくすことは、生産性向上以外に長時間労働を防ぐ役目も果たします。
社員の働きやすい環境を整え、今後も売上をきちんと確保するためにも、営業のDX化は重要な意味をもっています。
マネジメントの効率化
これまでの営業手法は、一人の営業担当者が新規顧客獲得から受注・契約までを担うものでした。
そのため管理職は同行しない限り、営業担当者がどのような行動を取っているか、
顧客とのコミュニケーションがうまくいっているかを把握するのが非常に難しかったと言えます。
たとえ営業プロセスのどこかに問題があったとしても、見落としてしまうことが多かったのです。
加えて営業担当者の動きを把握しようと同行を増やせば、当然管理職の業務量が増えることになります。
営業DXではWEB商談ツールなどの活用により、同行せずとも商談に参加することができます。
またデータを利用することで、より売上を伸ばすアプローチ方法の指導や、営業担当者の業務量の調整が可能になるでしょう。
管理職の業務の効率化にも営業DXは欠かせません。
営業の属人化の防止
新規顧客獲得から受注・契約までを一人で行う営業方法は、営業担当者のみが知る顧客情報が多くなりがちです。
それにより、その営業担当者が異動や退職をした場合、引き継ぎがうまくいかずトラブルになるケースがよく見られます。
また営業ノウハウが共有されないことで、営業担当者のスキルやセンスによって売上に差が出てしまうことも多いです。
営業のDX化では顧客情報をデータ化し共有することにより、営業担当者以外の人による代替の対応や業務の引き継ぎがスムーズにできるようになります。
さらには営業のマニュアルを作ることもでき、営業活動の質を保つほかに、新人社員や中途社員の教育時間を縮めることが可能です。
顧客との商談記録をデータ化し分析すれば、売上予測を立てることにも役立ちます。
顧客情報の共有は営業部門の売り上げアップだけでなく、顧客のニーズに沿った商品開発においても重要です。
企業の活動全てに営業DXが関わってくると言えます。
営業DXとインサイドセールスの関係
営業DXを進めるにあたり、ポイントになるのがインサイドセールスです。
とくに生産性の向上には、インサイドセールスが大きく関わってくると言えるでしょう。
そんなインサイドセールスとはどのようなものなのか、実際にできることについて説明していきます。
インサイドセールスとは?
インサイドセールス(内勤型営業)とは、メールや電話、WEB商談ツールなどを使い非対面で営業を行う手法のことです。
もともとは国土の広いアメリカで始まりましたが、コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、
日本でも近年導入する企業が増加しています。
一方で従来のように客先に直接出向き、対面で営業を行うものをフィールドセールス(外勤型営業)といいます。
インサイドセールスの主な役割は、新規顧客の獲得と見込み顧客の育成です。
見込み顧客とコミュニケーションを重ね、購買意欲を十分に高めた状態でフィールドセールスに引き継いでいきます。
営業DXとインサイドセールスでできること
営業DXとインサイドセールスを組み合わせることで、さらなる業務の効率化や生産性向上が見込めます。
どのようなことができるのかを詳しく解説していきます。
①リードの獲得
インサイドセールスではフィールドセールスに比べ、接する顧客数を増やすことが可能です。
フィールドセールスの場合、顧客先に出向く移動時間が欠かせないため、多くても1日あたり5〜6人程度との面会が限度になります。
しかしインサイドセールスであれば、営業支援ツールなどを活用することで、アプローチする顧客数を最大化できます。
営業のDX化により効率よくリードを獲得していけると言えるでしょう。
またこれは移動時間や移動にかかるコストの削減だけでなく、フィールドセールスが顧客との商談に集中できる環境づくりにもつながります。
これまで飛び込み営業にかけていた時間を商談に回すことで、商談の準備をしっかり行うことができ、結果として成約率をアップしていけます。
②見込み顧客の育成
見込み顧客の育成もインサイドセールスでできることの一つです。
定期的に商品のお知らせをしたりコミュニケーションを取ることで、見込み顧客の自社への興味や関心を高めていきます。
インサイドセールスでは顧客との長期的なやり取りが可能です。
そのため始めは購買意欲が低くても、ニーズをヒアリングして相手が求める情報を的確に提供し続けることにより、購買意欲の高い顧客を創出していけます。
加えて営業DXにおけるMA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用すれば、
どの程度見込み顧客の育成が進んでいるかを簡単に把握することができるでしょう。
顧客の購買意欲がしっかり高まった状態でフィールドセールスに引き継ぐことは、商談の成功率を上げる意味でも重要なポイントです。
③データの分析
インサイドセールスを行う際は、顧客の情報からやり取りの内容までを全てデータに残していきます。
それらを分析することにより、顧客の購買行動の把握やアプローチ方法の改善をしていくことが可能です。
またデータを活用することで、どのくらいの量の営業活動を行えばいいのかもわかります。
たとえば新規顧客獲得に必要な電話の架電数などが挙げられるでしょう。
営業DXを進める中でこうした数値を知ることは、営業活動の無駄を減らし、業務を効率化することに役立ちます。
さらにデータを管理する環境が整えば、どこにいても情報を活用できるため、テレワークの実施といった働き方改革にもつなげていけます。
営業DXにおけるインサイドセールスを成功させるコツ
営業DXでのインサイドセールスを成功させるためには、押さえておくべき点があります。
3つのポイントを一つ一つ説明していきます。
目的を理解する
営業DXにおいてインサイドセールスの導入する場合、社員が「なぜ営業DXが大事なのか」
「どうしてインサイドセールスを取り入れるのか」を理解する必要があります。
理由がわからないまま進めれば、売上向上などの結果もあまり出ず、社内の変革も中途半端に終わってしまいかねません。
目的は企業によって異なります。
まずは社内の問題点を整理し、それらを営業DXやインサイドセールスでどう改善していくか明確にすることが大切です。
部門間で連携を取る
営業DXでのインサイドセールスを進めるには、部門間の連携が欠かせません。
もし各部門の認識が異なり連携が取れなければ、トラブルが発生してもなかなか解決に至らない可能性があります。
導入する前には営業部門だけでなく、情報システム部門や経営企画などの関係する部門を含めて意見を交わし、運用の仕方を決めていきましょう。
色々な部門の目線で見て考えることで、より良い戦略も立てられるはずです。
定期的に見直し改善する
導入時に決めた方法のまま続けても、思ったほどの効果が出ないこともあります。
ビジネス環境や顧客の要望は日々変化していくものです。
そのため営業DXにおけるインサイドセールスでは、運用しながら定期的に見直しを行い、
必要な改善をスピーディーに行なっていくことがポイントになります。
月に一度や半年に一度など、点検する時期をあらかじめ決めておくのもオススメです。
まとめ
ここまで、営業DXの内容から営業DXとインサイドセールスでできること、営業DXにおけるインサイドセールスを進める上でのコツを解説してきました。
社会環境や顧客の購買行動が変化する中、デジタル技術やデータを活用して営業活動を最適化する営業DXは、
今後もさまざまな企業で進められていくことが予想されます。
またその中でも、新規顧客獲得や見込み顧客育成の分野で効率化が望めるインサイドセールスの導入は、重要な意味をもつと言えます。
とはいえ、ただ周りの企業に合わせて導入しても効果は期待できません。
導入する際は目的を明確にし、部門間で連携を取り、そして運用しながら定期的に施策を改善して企業の競争力を高めていきましょう。